やりがいって何だろう

保育士としてのやりがいを考える

保育士は人材が不足しがちであるというニュースをよく聞きます。

ニュースの論調の中には迷惑な保護者が増えたといったことを大きくクローズアップするものもあるようですが、私自身の経験で言えばそこまで保育士を精神的に追い詰めるような悪質な保護者はむしろ少ないように感じます。

それよりも業務として深刻なのが仕事の量がとにかく多く、体力的にきついという問題です。

保育士として勤務をされている人を見るとほとんどが若い女性であるのですが、これは年齢が高くなると業務が辛くなってくるということがあります。

もちろん50代くらいになっても元気に仕事をされている保育士さんもたくさんいらっしゃいますが、やはり全体の数を見ると20~30代くらいが多いようです。

保育士として勤務をされている方の多くは子供たちと接するという仕事に大変誇りを持っており、毎日の仕事に真摯に取り組まれている尊敬できる人たちなので、そうした人が長く勤務ができない状態というのはとても残念に感じます。

子供の成長を実感する喜び

私が保育士を目指した最初のきっかけはただ「子供と一緒にいれて楽しそう」というとても軽い動機だったのですが、保育士としての勉強をしたり実際に業務に携わってきた先輩たちの話を聞いているうちに少しずつ考え方が変わってきました。

大人の目から見ると子供というのは一緒くたな存在のようですが、当然のことながら一人ずつ個性があってそれから別々の大人として成長していきます。

子供の時に身の回りで起きた出来事をいつまでも覚えている人もたくさんいますし、場合によってはそうした思い出が人格形成に大きな影響を与えてしまうこともあります。

そんな事例を多く勉強したことで、保育士というのは子供にとって最初の親以外の大人ということになるわけなので、社会性の形成に重要な役割を持っているなと思うようになりました。

私自身保育園に通っていたときに先生にどんなことを言われたかぼんやりとながら覚えていたりもするので、自分が今度は逆にそうした子供時代の思い出の一部になるのかと思うとなんだか不思議な気分になります。

実際に保育士として長年勤務されてきた保育士さんの話では「赤ちゃんの時に世話をした子供たちが高校生くらいになって挨拶に来た時が嬉しい」といったことを言われていたので、その瞬間だけでなくのちの様子までを見ることができるというのも子供に接する仕事ならではの喜びに思えます。

1日ごとに違う子供の姿が見られる

長期の子供の成長も保育士ならではの実感ですが、私が自分で実習に行った時にも子供の成長のスピードを実感することができることがありました。

子供は1日ごとにものすごいスピードで成長をしているとよく言われていますが、たった3週間の実習期間の中でも言葉を新しく覚えたり、ものすごく絵が上手になったりといったことを目の当たりにしました。

すごいですね、と先輩の保育士さんに話をしたのですが「その感動を忘れないようにね」と釘をさされてしまいました。

保育士としての喜びをいつまでも感じられるようなそんな保育士を今は目指しています。