保育士を続けるための大きな壁
最近高校時代の同級生と会って、就職をしてからのことなどを少し話をしました。
私の同級生の半分以上は大学に進学しており、2年で保育士の専門学校を卒業する私は2年先に社会人デビューすることになります。
自分で選んだ進学先なので全くそのことに後悔はないのですが、ただ大学生となった同級生たちに「大変だと思うけど頑張ってね」といったことを言われると少しだけ悔しいというか寂しい気持ちになります。
保育士という仕事は現在厳しい状況に置かれており、決して恵まれた就業環境になっていないということくらい、現場の話を間近に聞いている私も十分承知しています。
もっと以前の高校生だったときから、保育士になりたいということを言っただけで「あまり将来性がないよ」といったことを言う大人の人がいたというのも事実です。
ですがそれでも私が保育士になるという道を選んだのは、仕事が大変であるということよりももっとやりがいのある仕事に就くことができるということにひかれたからです。
なので忙しさや給与面の低さから、保育士という仕事を下に見られてしまうというのはとても悲しく感じます。
どうして保育士の給与は安いのか
保育士という仕事は体力が多く必要になりますし、資格を取得するためにもかなりの労力がいります。
なのになぜこんなに就業条件が悪いんだろう?というのは私だけでなく保育士の勉強をしている人全てが感じていることと思います。
統計によると保育士の年収は同年代の平均年収と比較をすると約10万円程度は低くなっているというふうに言われます。
具体的には約300万円くらいが平均ということで、これは大きめの会社で事務職に付いている人よりも低いといったことになります。
どうしてこのようになってしまうのかというと、何も保育園施設が中抜きをしているというわけではなく、保育園・保育所では預かる子供の人数に応じて国や都道府県からの補助金を受け取るようになっているからです。
児童一人当たりに対して保育園が受けられる補助金のことを「保育単価」といいますが、この額は都道府県や管轄する自治体によって異なっています。
この補助金の計算の都合によって運営費やその保育所での保護者からの保育料が決まるので、施設が勝手に給与を上げるということができないのです。
なので例えば保育士さんの仕事を少しでも減らそうと事務員を雇ったり、清掃を外部の業者に委託したりするとその分運営費が加算で年収が減ることになります。
国や自治体に頑張ってもらうしかない
保育士の資格を取得したけれども、退職をすることになったという人に退職理由を尋ねるとダントツトップで挙げられるのは給与が安いからということです。
現在は女性だけでなく男性の保育士も全国で少しずつ増えてきていますが、正直一家の大黒柱として働く人が平均的な保育士の年収だけ受け取っていてはかなり厳しいことになってしまうでしょう。
施設の中にはできるだけ長く勤務をしてもらおうと努力をしているところもあるのですが、いかんせん補助金の額が低いこともありうまく保育士の年収にペイすることはできないというのが実情なんですね。
年収以上にやりがいのある保育士の仕事ではありますが、やはり安定的に優秀な方に長くいてもらうためにもぜひ国や自治体には頑張ってもらいたいです。