保育士不足について考える

保育士を辞める理由ナンバーワンは「給料」

保育士の平均年収は約300万円と言われています。

よく比較をされるのが同じく国家資格がないと勤務ができない看護師や薬剤師なのですが、看護師の平均年収が約400万円、薬剤師は500万円という数字をみるとやはり保育士はかなり就業環境が厳しいというふうに言うことができるでしょう。

少子化が進む反面で待機児童のような預けたくても預けられないという子供が出てしまう理由の一つに、施設の人材不足ということが挙げられます。

保育士は保育園で預かる子供の人数に応じて必ず所定人数を配置しないといけないことが定められているため、保育士が大量に辞めてしまった保育所などでは施設全体に余裕があっても子供を預けることができません。

また仮に預けることができたとしても、内部では保育士たちが人数ギリギリで仕事をしていたりするため、連日夜遅くまで事務仕事を残してしまったり、休む暇なく時間中は仕事を続けなければいけないといった非常に殺伐とした環境が出来上がってしまっています。

ひどいところになるとババ抜き状態で我も我もと争って退職をしようとするので残された人たちが牽制しあうなんていうこともあるようで、保育士以外の人が想像をしているよりも実情は深刻だと思ってもらってもいいでしょう。

人間関係の問題も大きいです

もう一つ保育士の人材不足の原因の一端となっているのが人間関係です。

私もアルバイトやボランティアとして短い時間保育園などで働いたことがあるのですが、控室でかなり仲が悪そうにしている保育士さんを見かけたことがあります。

いろいろと原因については言われているところなんですが、やはり職場内にいるスタッフのほとんどが女性であるということは少なからず影響しているんじゃないかなと思います。

女性だからという言い方はあまり好きではないのですが、確かに中にはグループを作ってその輪を異常に大切にしたり、上下関係を作って逆らえない雰囲気にしてしまうということは女同士ではよくあることです。

また仕事が忙しいということでちょっとミスが多かったり口が悪かったりする人がいると、総叩きにされてまともに仕事ができなくなったりするということもあったりします。

ただ学生同士ならまだしも仕事でやることなので、個人的には施設の管理職の人がきちんとそのあたりのことは統率しておいてくれたらなあというふうには思いますね。

「准保育士」という話もあるけれども

まだ実際に導入されるかどうかはわかりませんが、どうも政策として「准保育士」という資格をつくろうという議論が持ち上がっているようです。

これは国家資格である看護師の人材を補うために設置された、地方自治体が管理する准看護師という資格に近いイメージのもののようですが、保育士人材が不足している現場に保育士の補佐役としての資格者をつけるということが目的とされています。

ただ現場の保育士さんの声はかなり冷ややかなもので、保育士の待遇が全く解決されていない中で准保育士をつけても大して現状はよくならないという意見が大半です。

どうせ制度を改革するならもっと保育士として勤務をする人を尊重してより働きやすい環境にしていってもらえないかと願うところです。